Laboratory for Flow Control-Fluid mechanics experiment for science & technology-

超音波スピニングレオメトリ(USR)

~ 複雑流体のレオロジー物性評価を可能にする強力ツール~

粒子・液滴・気泡の懸濁液が呈するレオロジーには重要な物理が含まれており,また幅広い工学的応用があります.しかしながら,それを定量化する効果的なツールがありませんでした.軸トルクを用いる代表的な粘度計・レオメータは,試験流体層内の歪み速度を一定に保つため,その厚さを1 mm程度に抑える必要があり,100 μm程度の大きさの混入物は物性評価に致命的な誤差を生じさせます.超音波スピニングレオメトリ(USR)は,そのような問題を打破するために開発されました.USRは先に説明したUVPで得られた速度分布を活用し,コーシーの運動方程式と構成方程式にこれを代入,逆解析することで,瞬時局所のレオロジー物性を評価します.UVPの比較的大きな測定体積により,USRは上記の混入物がある液体にも適用可能であり,またUVPの瞬時速度分布計測により,試験流体内に実現される歪み速度範囲を基準とした瞬時の粘度曲線が得られます.計測理論と応用の詳細な説明はUSRの特設ページにまとめられていますので,そちらをご覧下さい.USRの応用範囲は幅広く,懸濁液,高分子溶液,粘土スラリー,および液状食品など多岐に渡ります.

JST新技術説明会でのUSRに関する解説動画がご覧いただけます:

  • 北海道大学
  • 北海道大学工学部
  • 北海道大学エネルギー環境システム専攻
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