Laboratory for Flow Control-Fluid mechanics experiment for science & technology-

カラーPIV

流れの中に微粒子を添加して高速画像処理で速度ベクトル分布を計測する手法をPIV と言います.過去20年,この技術は流体の3次元速度ベクトル場の計測として大きく発展しました.その殆どはカメラを複数利用するタイプが主流ですが,当研究室では光源にカラー立体照明を使うことで単視点で3次元速度ベクトル場を計測する技術を開発しています.風洞実験では煙画像に対する彩色照明で,翼まわりの流れ構造や乱流境界層の内層構造を計測することが可能となりました[1].液体実験ではカラー立体照明を空間構造化したり[2][3],アニメーションで時間変化[4]させることで,容器内流れや対流,あるいはタービンなど回転体が作る流れの計測を実現できるようになりました.最近では色彩を含んだ光学幾何較正に機械学習を導入することで,計測精度と実用性を大幅に向上させました[5].このカラーPIVは今後の実験流体力学の有用なツールとしてさらに大きく発展するポテンシャルがあり,国際的なベンチマーク試験と標準化を見据えて研究に取り組んでいるところです.

  1. Murai, Yumoto et al. Experiments in Fluids, 62, 231 (2021)
  2. Park, Yamagishi et al. Experiments in Fluids, 62, 70 (2021)
  3. Park, Saito et al. Experimental Thermal and Fluid Science, 109, 109919 (2019)
  4. Watamura, Tasaka, Murai. Experimental Thermal and Fluid Science, 47, 68–80 (2013)
  5. Noto, Tasaka, Murai. Experiments in Fluids, 62, 131 (2021)
写真1: デルタ翼の後流構造の3次元カラーPIV計測
写真2: 容器内の液体の混合過程を可視化する3次元カラーPTV計測
  • 北海道大学
  • 北海道大学工学部
  • 北海道大学エネルギー環境システム専攻
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